地域密着型通所介護(デイサービス)加算
2021年4月に介護保険法が改定されましたが、加算の算定率が低いのが現状です。今回は地域密着型通所介護事業所で算定できる加算についてケアマネジャーから問い合わせの多い加算を一部記載いたします。各加算に関するご不明点は、厚生労働省や各都道府県(市区町村)へお問い合わせいただきますようよろしくお願いします。
目次
地域密着型通所介護(デイサービス) 基本報酬
要介護 | 介護報酬 所要時間3時間以上4時間未満 |
介護報酬 所要時間4時間以上5時間未満 |
介護報酬 所要時間5時間以上6時間未満 |
介護報酬 所要時間6時間以上7時間未満 |
介護報酬 所要時間7時間以上8時間未満 |
介護報酬 所要時間8時間以上9時間未満 |
要介護1 | 415 | 435 | 655 | 676 | 750 | 780 |
要介護2 | 476 | 499 | 773 | 798 | 887 | 922 |
要介護3 | 538 | 564 | 893 | 922 | 1,028 | 1,068 |
要介護4 | 598 | 627 | 1,010 | 1,045 | 1,168 | 1,216 |
要介護5 | 661 | 693 | 1,130 | 1,168 | 1,308 | 1,360 |
2021年度4月からの介護報酬の単位について、改定率+0.7%を踏まえ地域密着型通所介護(デイサービス)においては、上記の通り引き上げとなる。
加算項目について
加算項目 | 単位数 | 加算頻度 |
入浴介助加算Ⅰ | 40単位 | 1日につき |
入浴介助加算Ⅱ | 55単位 | 1日につき |
中重度者ケア体制加算 | 45単位 | 1日につき |
生活機能向上加算Ⅰ | 100単位 | 3月に1回を限度1月につき |
生活機能向上加算Ⅱ | 200単位 | 1月につき |
生活機能向上連携加算Ⅱ | 100単位 | 1月につき |
個別機能訓練加算Ⅰイ | 56単位 | 1日につき |
個別機能訓練加算Ⅰロ | 85単位 | 1日につき |
個別機能訓練加算Ⅱ | 20単位 | 1月につき |
ADL維持等加算Ⅰ | 30単位 | 1月につき |
ADL維持等加算Ⅱ | 60単位 | 1月につき |
認知症加算 | 60単位 | 1日につき |
若年性利用者受入加算 | 60単位 | 1日につき |
栄養アセスメント加算 | 50単位 | 1月につき |
栄養改善加算 | 200単位 | 1月に2回を限度1回につき |
口腔・栄養スクリーニング加算Ⅰ | 20単位 | 一回につき |
口腔・栄養スクリーニング加算Ⅱ | 5単位 | 一回につき |
口腔機能向上加算Ⅰ | 150単位 | 1月に2回を限度1回につき |
口腔機能向上加算Ⅱ | 160単位 | 1月に2回を限度1回につき |
科学的介護推進体制加算 | 40単位 | 1月につき |
サービス提供体制強化加算Ⅰ | 22単位 | 一回につき |
サービス提供体制強化加算Ⅱ | 18単位 | 一回につき |
サービス提供体制強化加算Ⅲ | 6単位 | 一回につき |
サービス提供体制強化加算Ⅲイ | 48単位 | 1月につき |
サービス提供体制強化加算Ⅲロ | 24単位 | 1月につき |
同一建物減算 | -94単位 | 1日につき |
入浴介助加算
名称 |
単位 | 算定要件 |
入浴介助加算Ⅰ |
40単位 | 入浴中の利用者の観察を含む介助を行う場合
(改定以前の入浴介助加算と同様) |
入浴介助加算Ⅱ |
55単位 | ●医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、介護支援専門員等が利用者の居宅を訪問(※個別機能訓練加算で行う居宅訪問と併せて実施可能)し、利用者の状態を踏まえて浴室における利用者の動作・浴室の環境を評価すること。
●機能訓練指導員等が共同して、利用者の居宅を訪問した者との連携の下で、利用者の身体の状況や訪問により把握した利用者の居宅の浴室の環境等を踏まえた個別の入浴計画(地域密着型通所介護計画書)を作成すること。 ●入浴計画に基づき、個浴その他の利用者の居宅の状況に近い環境にて、入浴介助を行うこと。 |
入浴介助加算についての厚生労働省からのQ&A
問 入浴介助加算(Ⅱ)は、利用者が居宅において利用者自身で又は家族等の介助により入浴を行うことができるようになることを目的とするものであるが、この場合の「居宅」とはどのような場所が想定されるのか。
利用者の自宅(高齢者住宅(居室内の浴室を使用する場合のほか、共同の浴室を使用する場合も含む。)を含む。)のほか、利用者の親族の自宅が想定される。なお、自宅に浴室がない等、具体的な入浴場面を想定していない利用者や、本人が希望する場所で入浴するには心身機能の大幅な改善が必要となる利用者にあっては、以下①~⑤をすべて満たすことにより、当面の目標として通所介護等での入浴の自立を図ることを目的として、同加算を算定することとしても差し支えない。
① 通所介護等事業所の浴室において、医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、介護支援専門員等(利用者の動作及び浴室の環境の評価を行うことができる福祉用具専門相談員、機能訓練指導員を含む。)が利用者の動作を評価する。
② 通所介護等事業所において、自立して入浴することができるよう必要な設備(入浴に関する福祉用具等)を備える。
③ 通所介護等事業所の機能訓練指導員等が共同して、利用者の動作を評価した者等との連携の下で、当該利用者の身体の状況や通所介護等事業所の浴室の環境等を踏まえた個別の入浴計画を作成する。なお、個別の入浴計画に相当する内容を通所介護計画の中に記載する場合は、その記載をもって個別の入浴計画の作成に代えることができるものとする。
④ 個別の入浴計画に基づき、通所介護等事業所において、入浴介助を行う。
⑤ 入浴設備の導入や心身機能の回復等により、通所介護等以外の場面での入浴が想定できるようになっているかどうか、個別の利用者の状況に照らし確認する。なお、通所リハビリテーションについても同様に取り扱う。
引用:令和3年度介護報酬改定Q&A(Vol.8),厚生労働省
入浴介助加算についての厚生労働省からのQ&A(2)
問 入浴介助加算(Ⅱ)については、算定にあたって利用者の居宅を訪問し、浴室における当該利用者の動作及び浴室の環境を評価することとなっているが、この評価は算定開始後も定期的に行う必要があるのか。
当該利用者の身体状況や居宅の浴室の環境に変化が認められた場合に再評価や個別の入浴計画の見直しを行うこととする。
引用:令和3年度介護報酬改定Q&A(Vol.8),厚生労働省
生活機能向上連携加算
名称 | 単位数 | 算定要件 |
生活機能向上連携加算Ⅰ | 100単位 | ・訪問・通所リハビリテーションを実施している事業所又はリハビリテーションを実施している医療提供施設(病院にあっては、許可病床数200床未満のもの又は当該病院を中心とした半径4キロメートル以内に診療所が存在しないものに限る。)の理学療法士等や医師からの助言(アセスメント・カンファレンス)を受けることができる体制を構築し、 助言を受けた上で、機能訓練指導員等が生活機能の向上を目的とした個別機能訓練計画を作成等すること。
・ 理学療法士等や医師は、通所リハビリテーション等のサービス提供の場又はICTを活用した動画等により、利用者の状態を把握した上で、助言を行うこと。 <生活機能向上連携加算(Ⅱ)>(現行と同じ) 訪問・通所リハビリテーションの理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が利用者宅を訪問して行う場合又は、 リハビリテーションを実施している医療提供施設(病院にあっては、許可病床数200床未満のもの又は当該病院を中心と した半径4キロメートル以内に診療所が存在しないものに限る。)の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医師が訪問して行う場合に算定。 |
※提携先を見つけやすくするための方策 通所介護事業所等、リハビリテーション事業所等間の連携を促進し、通所介護事業所がより質の高い機能訓練を提供できるようにする為、都道府県及び保険者が算定要件上連携先となり得るリハビリテーション事業所に情報提供を依頼し、その情報を集約の上、通所介護事業所等に提供する。
個別機能訓練加算
名称 | 単位数 | 機能訓練指導員配置基準 | 算定要件 |
個別機能訓練加算Ⅰイ | 56単位 | 機能訓練指導員
1名以上 配置時間指定 なし |
・地域密着型通所介護事業所の機能訓練指導員等が、利用者の居宅を訪問し、ニーズを把握するとともに、居宅での生活状況を確認。
・居宅訪問で把握したニーズと居宅での生活状況を参考に、多職種共同でアセスメントを行い、個別機能訓練計画を作成。 ・利用者の心身の状況に応じて、身体機能及び生活機能の向上を目的とする機能訓練項目を柔軟に設定。訓練項目は複数種類準備し、その選択に当たっては利用者の生活意欲が増進されるよう利用者を援助する。 ・5人程度以下の小集団又は個別 ・機能訓練指導員が直接実施 ・3か月に1回以上実施し、利用者の居宅を訪問した上で、居宅での生活状況を確認するとともに、当該利用者又はその家族に対して個別機能訓練計画の進捗状況等を説明し、必要に応じて個別機能訓練計画の見直し等を行う。 |
個別機能訓練加算Ⅰロ | 85単位 | 機能訓練指導員
1名以上 サービス提供時間帯は終始配置 |
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個別機能訓練加算Ⅱ | 20単位 | 基準なし | 介護情報データベース「LIFE」に利用者情報等の登録を行い、個別機能訓練計画を作成・実践することが算定要件となります。
①提出期限 (ア)個別機能訓練計画を新規作成した月の翌月10日まで (イ)個別機能訓練計画の内容を変更した月の翌月10日まで (ウ)作成・変更問わず、最低でも3か月に1回 ②提出情報 ・利用者の基本情報(希望の機能訓練・健康状態等) ・機能訓練の内容・目標設定 ・機能訓練の実施後の変化、次回以降の課題等 |
口腔・栄養スクリーニング加算
名称 | 単位数 | 算定要件 |
口腔・栄養スクリーニング加算Ⅰ | 20単位 | 介護サービス事業所の従業者が、利用開始時及び利用中6月ごとに利用者の口腔の健康状態及び栄養状態について確認を行い、当該情報を利用者を担当する介護支援専門員に提供していること(※栄養アセスメント加算、栄養改善加算及び 口腔機能向上加算との併算定不可) |
口腔・栄養スクリーニング加算Ⅱ | 5単位 | 利用者が、栄養改善加算や口腔機能向上加算を算定している場合に、口腔の健康状態と栄養状態のいずれかの確認を行い、当該情報を利用者を担当する介護支援専門員に提供していること(※栄養アセスメント加算、栄養改善加算又は口腔機能向上加算を算定しており加算(Ⅰ)を算定できない場合にのみ算定可能) |
口腔機能向上加算
名称 | 単位 | 算定要件 |
口腔機能向上加算Ⅰ | 150単位 | 現行通り
①言語聴覚士、歯科衛生士又は看護職員が中心となり、口腔衛生、摂食・嚥下機能に関する解決すべき課題の把握を行い、言語聴覚士、歯科衛生士、 看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して取り組むべき事項等を記載した口腔機能改善管理指導計画 を作成し、利用者又はその家族に説明し、その同意を得ること。 ②口腔機能改善管理指導計画に基づき、言語聴覚士、歯科衛生士又は看護職員等が利用者ごとに口腔機能向上サービスを提供すること。 ③利用者の口腔機能の状態に応じて、定期的に、利用者の生活機能の状況を検討し、概ね三月ごとに口腔機能の状態の評価を行い、その結果について、当該利用者を担当する介護支援専門員や主治の医師、主治の歯科医師に対して情報提供すること。 |
口腔機能向上加算Ⅱ | 160単位 | 口腔機能向上加算(Ⅰ)の取組に加え、口腔機能改善管理指導計画等の情報を厚生労働省に提出し、口腔機能向上サービスの実施にあたって当該情報その他口腔衛生の管理の適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用していること |
栄養アセスメント・栄養改善加算
名称 | 単位 | 算定要件 |
栄養アセスメント加算 | 50単位 | ※口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅰ)及び栄養改善加算との併算定は不可
・当該事業所の従業者として又は外部(※)との連携により管理栄養士を1名以上配置していること 利用者ごとに、管理栄養士、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して栄養アセスメントを実施し、当該利用者又はその家族に対してその結果を説明し、相談等に必要に応じ対応すること ・利用者ごとの栄養状態等の情報を厚生労働省に提出し、栄養管理の実施に当たって、当該情報その他栄養管 理の適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用していること。 ※ 他の介護事業所、医療機関、介護保険施設、日本栄養士会や都道府県栄養士会が設置・運営する「栄養ケア・ステーション」。 ただし、介護保険施設については、常勤で1以上又は栄養マネジメント強化加算の算定要件の数を超えて管理栄養士を配置している施設に限る。 |
栄養改善加算 | 200単位 | 口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅰ)との併算定は不可
管理栄養士を1名以上配置または、外部(他の介護事業所・医療機関・栄養ケア・ステーション)との連携により管理栄養士を1名以上配置していること。 ※常勤に限らず非常勤でも配置可(サービス提供が遂行できる勤務体制を整備のこと) ・利用者ごとの摂食・嚥下機能および食形態にも配慮した栄養ケア計画を作成し、状態を定期的に記録すること。 ・栄養改善サービス提供の手順を実施すること。 ・計画の進歩状況を定期的に評価すること。 ・厚生労働大臣の定める基準を満たした指定通所介護事業所であること。 (追加)栄養改善サービスの提供に当たって、必要に応じ居宅を訪問することを新たに求める。 |
ADL維持等加算
名称 | 単位数 | 算定要件 |
ADL維持等加算Ⅰ | 30単位 | イ 利用者等(当該施設等の評価対象利用期間が6月を超える者)の総数が10人以上であること。 ロ 利用者等全員について、利用開始月と、当該月の翌月から起算して6月目(6月目にサービスの利用がない 場合はサービスの利用があった最終月)において、Barthel Indexを適切に評価できる者がADL値を測定し、測定した日が属する月ごとに厚生労働省に提出していること。 ハ 利用開始月の翌月から起算して6月目の月に測定したADL値から利用開始月に測定したADL値を控除し、初月のADL値や要介護認定の状況等に応じた値を加えて得た値(調整済ADL利得)について、利用者等から調整済ADL利得の上位及び下位それぞれ1割の者を除いた者を評価対象利用者等とし、評価対象利用者等の調整済ADL利得を平均して得た値が1以上であること。 |
ADL維持等加算Ⅱ | 60単位 | ADL維持等加算(Ⅰ)のイとロの要件を満たすこと。 評価対象利用者等の調整済ADL利得を平均して得た値が2以上であること。 |
横浜市のホームページに掲載されているADL利得の計算対象となる例となります↓
科学的介護推進体制加算
名称 | 単位数 | 算定要件 |
科学的介護推進体制加算 | 40単位 | ・ 入所者・利用者ごとの、ADL値、栄養状態、口腔機能、認知症の状況その他の入所者の心身の状況等に係る基本的な情報を、厚生労働省に提出していること。
・ 必要に応じてサービス計画を見直すなど、サービスの提供に当たって、上記の情報その他サービスを適切かつ有効に提供するために必要な情報を活用していること。 |
科学的介護推進体制加算
科学的介護情報システム(LIFE)へのデータ提出とフィードバック情報の活用により、介護サービスの質の評価と科学的介護の取組を推進するために、施設系サービス、通所系サービス、居住系サービス、多機能系サービスの幅広いサービスにおいて新設された加算です。
科学的介護推進体制加算のPDCAサイクル
科学的介護推進体制加算の算定にあたっては、利用者に提供するサービスの質を常に向上させていくため、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)のPDCAサイクルの取り組みが求められています。
ここでは、PDCAサイクルの具体的な取り組みについて
・【Plan】利用者の心身の状況等に係る基本的な情報に基づき、適切なサービスを提供するためのサービス計画を作成する
・【Do】サービスの提供に当たっては、サービス計画に基づいて、利用者の自立支援や重度化防止に資する介護を実施する
・【Check】LIFEへの提出情報及びフィードバック情報等も活用し、多職種が共同して、事業所の特性やサービス提供の在り方について検証を行う
・【Action】検証結果に基づき、利用者のサービス計画を適切に見直し、事業所全体として、サービスの質の更なる向上に努める
まとめ
現在、地域密着型通所介護(デイサービス)は、加算の算定が厳しく、一日型でレスパイトケア目的だけでは経営状態が厳しい状態です。
中長期的な観点から算定可能な加算から取得するのも重要となります。
プレゼンス介護施設相談室
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